コラム
こだわりの金具 グラス社ノヴァプロスカラ
当店ではブルム社のタンデムボックスという引出しレールを標準として使用しておりますが、一つ上のオプションとして採用している引出しレールがグラス社の「ノヴァプロスカラ」です。
ブルム社のタンデムボックスと同じく「引出しシステム」や「スチール引出し」と呼ばれるレールの一つですが、タンデムボックスと比べるとスクウェアな形状で非常にデザイン性が高いレールです。
タンデムボックスがサイドのレールで高さを出していくのに対し、ノヴァプロスカラは側板の高さが4種類のラインナップがあるため、見た目も非常にすっきりしたものになります。
側板の高さが一番上から90mm、122mm、186mmとなっています。
あらためて、タンデムボックスの写真を載せますが、比べてみるとデザイン性の違いは一目瞭然ですね。
カラーも写真の「ストーン(ダークグレー)」の他に「アイス(ホワイト)」、「シルバー」の計3色。お好みに合わせて選ぶことができます。
耐荷重や動きなどはほとんど同じレベルといってよいでしょう。
違いは金額です。
当店の場合、ノヴァプロスカラの方が1杯¥3,000前後高くなります。
微妙な価格差ですね(笑)
普段見えない部分なので安い方で良いというお客様もいれば、引出しの中までこだわりたいというお客様もいらっしゃいます。
採用率は全体の3割程度ですが、少しづつノヴァプロスカラを選ばれるお客様が増えているような印象です。
事務所に展示がありますので、興味のあるお客様はぜひ一度お越しください。
K'S FURNITURE 佐久間
こだわりの金具 ブルム社タンデムボックス
オーストリアの金具メーカー「ブルム」社の「タンデムボックス」。
一般的には「引出しシステム」や「スチール引出し」と呼ばれる引出しレールのひとつで、剛性や清掃性の高さからキッチンやカップボードなどハードに使われる家具でよく使われています。
写真のように引出しの側板とスライドレールが一体となっており、ゆっくり閉まるソフトクローズ仕様。
スチール製の側板に木製の板材(写真は低圧メラミン板)をはめ込んで組み立てます。
側板の高さはすべて一緒なので、深さはサイドバーで増やしていきます。
ブルム社の引き出しシステム「タンデムボックス」ですが、私が家具業を始める前から長い間ずっと使われ続けているロングセラー商品です。
他の金具メーカーからも同様の商品は販売されておりますが、引出しシステムというジャンルの中では今でも一番使われている、この業界の定番商品と言えるでしょう。
ロングセラー商品であるということは私たちのような造作家具屋にとっては非常に大事なことです。
僕らのお届けしている造作家具は20年以上使われることも珍しくない商品です。
どんなに耐久性の高い金具でも長い年月の中で壊れることもあるでしょう。
そんな時にもしその金具が廃盤になってしまっていたら…。
ひとつの家具が壊れるとき、キャビネットの方が先に壊れるか、金具の方が先に壊れるか。
ブルム社では、「金具の方が先に壊れる」という考え方を前提に商品開発をされているそうです。
ブルム社の旧製品と新製品の互換性の高さというのはこのような考えからも来ているのではないかと思います。
デザインや機能にこだわった新商品、コストパフォーマンスに優れた廉価品などいろいろ出ておりますが、長く使うものだからこそ、変わらない「定番」を選ぶことも時には重要になると思います。
当店ではこのタンデムボックスをカップボードの標準レールとして使用しております。
K'S FURNITURE 佐久間
こだわりの金具 ブルム社スライド丁番
家具製作で最も使用頻度の高い金具と言えば「スライド丁番」です。
開き扉につける金具で、キャビネットの内部に取付ます。表には出てきませんが家具の品質の要といっても過言ではない重要なパーツとなります。
当店ではオーストリアの「ブルム」社というメーカーの丁番をメインで使用しております。
上の写真は当店の標準となっております「クリップトップブルモーション110°ヒンジ 71B3550」という商品で、ゆっくりしまるソフトクローズ機能がこの小さい丁番の中に内蔵されている優れものです。
今までにいろいろなメーカーの金具を使ってきましたが、品質や剛性、ソフトクローズの動き方など、どれをとっても最高クラスと思われます。
若干コストは高いのですが、剛性の高さによるメンテナンスの少なさを考えると十分納得できる金額です。
用途によっては他のメーカーの丁番を使うこともありますが、使ってみると品質の違いを実感します。
もう一点気に入っているところは座金の種類の多さ。
座金というのはスライド丁番とセットで使われる金具で、キャビネット側につけるパーツのことです。
上の写真が座金です。この3種類の他に厚み違いやビスのタイプ別などがあり、10種類程度使い分けています。
当店では一番左のタイプをメインに、用途やコストに合わせて切り替えてます。
そして、ブルム社の座金の使いやすいところは規格が変わらないところ。
例えば、他メーカーの場合だと新しいタイプの丁番が出ると古い座金が使えなかったりすることが多いのですが、ブルム社は座金の規格が変わらないので、用途によって使い分けができたり、古い座金に新しい丁番を付けたりすることができます。
これはものすごいメリットで、もし数年後に丁番が壊れてしまったとしても座金を変えずに丁番だけ簡単に交換ができるということです。もちろんその逆もあります。
品質面であれば、ドイツのヘティヒ社の丁番は同等かそれ以上の品質ではあるのですが、このような使いやすさにおいては断然ブルム社です。
また、日本のメーカーからもたくさんスライド丁番が販売されておりますが、正直ブルム社やヘティヒ社などの海外メーカーの足元にも及ばないといった印象を受けます。
もちろん海外メーカーにはないメリットもたくさんあるのですが、スライド丁番に一番必要なものは剛性ですので、海外メーカーの丁番と比べると日本のメーカーの金具はだいぶ華奢な感じを受けます。
スライド丁番は見えない部分に使う金具なのでコストダウンの標的になりがちですが、使用頻度が高く一番メンテナンスが発生しやすいこのスライド丁番にどのようなグレードの金具を使っているかで、その会社の品質への思いが見えると思います。
ブルム社の丁番は決して特殊なものではなく、大手キッチンメーカーを中心にブルム社の金具を使っている会社はたくさんありますので、皆様もキッチンや家具を検討される際には、金具のメーカーや種類にも気を留めてみてください。
K'S FURNITURE 佐久間
コラムを始めます。
HPをご覧いただき誠にありがとうございます。
代表の佐久間と申します。
これからHPの方にオーダー家具についてのコラムを書いていこうと思います。
素材や金具の紹介、家具のプランニングのコツや業界のことなど、皆様がオーダー家具を検討される際にお役に立つような情報を載せていきたいと思います。
不定期で書いていきますので、興味がある方は暇なときに覗いてください。
宜しくお願い致します。